この記事は金沢プレイルームが会員様向けに発行する「アトリエ通信2020年9月号」からの転載です。
ドールハウスを作ろう
夏休みの造形は人形の家、ドールハウスを作りました。
以前にもアトリエでは立体的な形式でドールハウスを作ったことがありました。積み木のように床から設置して安定感のあるおうちでした。
対して今回は床を作らず同じ面積の4枚の板をテープで貼って連ね、木っ端で家具や窓飾りをレリーフのように表現したものになります。この原型は、四角柱のテーマの時に授業で作った「ペーパークラフトのビル」の形と同じでした。
一つ一つの工程はシンプルではありますが、四角柱の筒状になり、開くと平面の「家」という作品を成立するため、本来立体の部屋の中のものを壁に向かって絵本の画面のように二次元的に変換してとらえる必要があって、少々時間をオーバーしてしまうことも。ですが、夢中になって作りこみ、(夏休み中ということもあって)「また次も続きを作りたい!」と残していく子や、自分の作ったおうちの窓をいつまでも飽きずにのぞき込んでいる子も。
木っ端の造形のほかにも壁紙にした千代紙、しっくいと石膏タイルによる壁の質感はシンプルながらカラフルで面白く、子ども達一人ひとりに応じた味わいのある、インテリアにもピッタリの作品ができました。
絵画
絵画のモチーフはハイビスカスの花、蝶の標本、貝の標本、パイナップル、といった、夏らしいものをそろえました。
この中でも新しいものはハイビスカスですが、子ども達自身が描きたいものを選んだ結果、何度も提供したパイナップルと、蝶の標本に大きく分かれました。
パイナップルが初めての子もいてのことですが、何度も同じ子がパイナップルを描いたことがあっても、その子がパイナップルを何度も描きたいと思ったことや、その子が成長し、その時その時で絵が変わっていく、絵画においては同じモチーフを通してその違い、その成長を見届けるうえでも興味深い視点が得られると思っています。